福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
おじいさんと死神 
      
      
        ある日、一人のおじいさんが山でたきぎをたくさん集めて、よいこらさと背中に背負いました。 
 家が遠いので、長い長い道をそうやって、歩いて行かなければなりませんでした。 
 おじいさんはすっかりくたびれて、途中でいったん荷物をおろしました。 
「やれやれ、いっそ、死に神が迎えに来てくれないかなあ。・・・おーい、死神やーい」 
 おじいさんがこう呼びますと、たちまち死神が現れて、 
「わたしを呼んだのは、なんのためかな」 
と、尋ねました。 
 死神の怖い顔を見たとたんに、おじいさんは気弱になって、 
「いえいえ、なに、この荷物をしょいなおすのに、ちょっと手を貸して下さればいいんで」 
 
 このお話しは、人間はたとえどんなに貧乏で、つらい暮らしをしていても、死ぬよりは生きている方がましだと教えています。 
      おしまい 
          
         
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