福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      金づかいのあらい若者とツバメ 
      
      
        金づかいのあらい若者が、お金をつかいはたし、持っていたものを売りつくして、とうとう、外套(がいとう→オーバーコートのこと)一枚しかなくなってしまいました。 
 そのとき、一羽のツバメを見かけました。 
 それは、ほかのツバメよりもとくべつに早くわたってきたツバメでした。 
 でも、若者はツバメを見たとたん、 
「ああ、春だ。もう、外套はいらないな」 
と、さっそく外套を売りにいきました。 
 ところがその後、天気が悪くなり、寒さが戻ってきました。 
 若者がブルブルふるえながら歩いていると、あのツバメがこごえ死んでいました。 
 若者はいいました。 
「やれやれ、しょうがないやつだ。おまえとおれと両方がこんなみじめな事になったのも、おまえのせいだぞ」 
 
 このお話しは、どんなことでも時期をまちがえると、とんでもないことになると、おしえています。 
      おしまい 
          
         
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