福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      シカとブドウの木 
      
      
        猟師に追われたシカが、ブドウの木のかげにかくれました。 
 猟師はシカがかくれていることに気がつかないで、そのブドウの木をとおりすぎていきました。 
「やれ、助かった。もうだいじょうぶ」 
と、思ったシカは、ブドウの葉をむしゃむしゃ食べ始めました。 
「ガサガサ、ガサガサ」 
と、ブドウの葉が音を立てます。 
 その音を聞いて、猟師はふりかえりました。 
 風もないのに、ブドウの葉がゆれているのです。 
「さては、えものがかくれているな」 
と、考えた猟師は、戻ってきてシカを撃ち殺しました。 
 死ぬ前にシカは、こう言いました。 
「わたしが殺されるのはあたりまえかもしれない。だって、自分を助けてくれたブドウの葉っぱを食べるなんて、そんなひどいことをしたのだから」 
 
 このお話しは、恩人に対して悪いことをする人は、ひどいしうちが待っていると言うことをおしえています。 
      おしまい 
          
         
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