福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
ライオンとクマとキツネ 
      
      
        ライオンとクマが、一匹の子ジカをみつけて、うばいあいのケンカをしていました。 
 むちゅうになってたたかったので、しまいには両方とも目がまわり、ばったりとたおれて、うごけなくなりました。 
 そこヘ、キツネがやってきました。 
 見ると、ライオンとクマがまるで死んだようにのびていて、そのまん中に子ジカがいます。 
「ごちそうさま」 
と、キツネは子ジカをくわえて、ライオンとクマのあいだをとおりぬけていきました。 
 ライオンとクマは、おきあがる力もなく、キツネを見おくりながらつぶやきました。 
「おれたちはバカだなあ。これではキツネにえものをやるために、たたかっていたようなものだ。さいしょから、はんぶんこすればよかった」 
 
 ものをうばいあいするまえに、はんぶんこできないか考えてみてください。 
      おしまい 
          
         
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