福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
小ガラスと大ガラスA 
      
      
        大ガラスは、人間の未来をうらなう事ができると考えられていました。 
 人々は大ガラスの鳴き方で縁起が良いかどうかをうらない、大ガラスをだいじにして、裁判の証人にするほどでした。 
 同じカラスでも小ガラスは、少しもだいじにされません。 
 それで小ガラスは大ガラスをねたんで、自分も1つ、うらないをやってみようと思いました。 
 旅人がやってくるのを見た小ガラスは、一本の木にとまって、大きな声でなきました。 
 その声を聞いて、旅人たちは「ギョッ!」としてふりかえりました。 
 しかし、中の1人がいいました。 
「さあさあ、どんどん旅をつづけましょう。いまないたのは小ガラスですよ。あんなものはうらないとは、ちっとも関係がありません」 
 
 人間も同じ事です。 
 才能のない人が、才能のある人の真似をしてみても、かなわないだけでなく、笑い者になってしまいます。 
      おしまい 
          
         
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