福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      ライオンに恩返しをしたネズミ 
      
       
      
      
        ライオンがひるねをしていました。 
 そこへネズミが来て、ライオンの背中へのぼり、ちょろちょろ走りました。 
 ライオンは目をさまし、ネズミをつかまえて食べようとしました。 
「お助け下さい。こんなちっぽけなネズミなんておいしくありません。わたしをゆるして下さったら、いつかかならず、あなたのお役に立ちますから」 
 ネズミはふるえながら、いっしょうけんめいにたのみました。 
 ライオンはネズミがかわいそうになり、だまってはなしてやりました。 
 何日かして、ライオンは猟師につかまってしまいました。 
 丈夫なロープの首わをつけられて、ライオンは逃げることができません。 
(ああ、わたしの人生もこれで終わりだ) 
 ライオンがガッカリしていると、あの時のネズミがやってきて、するどい歯でロープをかみ切り、ライオンを助け出してやりました。 
「ありがとう。おかげで命びろいをした」 
 ライオンはネズミにお礼をいい、それからなかよくくらしました。 
 
 このお話しは、どんなにつよいものでも、ときには弱いものに助けてもらわなければならない事がある。 
と、いうことをおしえています。 
      おしまい 
          
         
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