福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      船旅をする人たち 
      
      
        人々が船にのって、海に出ました。 
         ずっと沖へ出たとき、はげしい嵐がおこって、船は今にも沈みそうになりました。 
         船にのっていた客たちは、 
        「神さま、お助け下さい。船を沈めないで下さい。助けて下さったら、いくらでも感謝のおそなえをします」 
        と、大声でいのりました。 
         ところが嵐がしずまると、みんなはごちそうを食べたり、おどったり、飛びはねたりしました。 
         もう、安心だと思ったのです。 
         しかし船長は考え深い人でしたから、うかれているお客たちにいいました。 
        「みなさん、楽しむのはけっこうです。ただし、いつまた嵐が来るかもしれないことをお忘れなく」 
   
         うまくいったからといって、安心してはいけません。 
         さいなんは、またくるかもしれませんよ。 
      おしまい 
          
         
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