福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      像をこわした男 
      
      
        ある男が、木でできた神さまの像を持っていました。 
        この人は貧乏(びんぼう)だったので、毎日その像においのりしました。 
        しかし、いくらおいのりをしても、いっこうにお金持ちになれないどころか、ますます貧乏がひどくなるばかりでした。 
        男はしまいにすっかり腹を立てて、像の足をつかむと、力いっぱい壁にたたきつけました。 
        とたんに像の頭が割れて、そこから金の固まりが出てきたのです。 
        男はそれをひろい上げて、こうさけびました。 
        「神さま、あんたはへそまがりだな。それに、がんこだな。だって、わたしがあんたをあがめたてまつっていたときは、ちっとも助けてくれないで、なぐりつけたとたん、こんなごほうびをくれるんだから」 
   
        このお話しは、いじわるな人をだいじに扱っても、何一つえられないから、そんな人にはキツイ態度をとった方が、かえって利益が引き出せるということをおしえています。 
      おしまい 
          
         
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