福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
         
        オオカミとサギ 
      
      
        オオカミが骨をのどにつきさして、痛くてたまらないので、だれかぬいてくれないかと、さがしまわっていました。 
   するとちょうどよいことに、サギがむこうからきました。 
   オオカミは、 
  「すみませんが、のどに刺さった骨をぬいて下さい。お礼はきっとしますから」 
  と、たのみました。 
   サギはオオカミののどの奥へ首をつっこんで、骨をぬいてやりました。 
   そして、 
  「さあ、約束のお礼を下さい」 
  と、いいますと、オオカミは、こう答えました。 
  「おい、きみ、オオカミの口の中につっこんだ頭を、かすり傷1つなしに、ぶじに出せただけで、じゅうぶんではないのかね。まだそのうえに、お礼が欲しいのかい?」 
   
   このお話しでわかるように、悪いやつに親切にしても、恩がえしは期待できません。 
   お礼のかわりに、ひどいしうちをされずにすめばさいわいだと、いうことになるのです。 
      おしまい           
         
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