福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
        イラスト myi   ブログ sorairoiro 
         
足を怪我したふりをするロバとオオカミ  
      
      
        ロバがまきばで草を食べていると、オオカミがやって来るのが見えました。 
         ロバは、足を怪我したふりをしました。 
         オオカミが寄ってきて、 
        「どうして、足を引きずっているの?」 
        と、尋ねました。 
        
       「垣根(かきね)を飛び越えようとして、イバラに足をついてトゲを刺してしまったからです。 
         あなたはぼくを食べるつもりでしょうけれど、その前に、トゲをぬいてくれませんか? 
         そうすれば、口にトゲが刺さる心配なしに、ぼくを食べる事が出来るでしょう」 
         オオカミは、なるほどその通りだと思いました。 
        
        オオカミがロバの足を持ちあげて、一生懸命にひづめを調べているのを見すましてロバは、 
         ガツーン! 
        
       と、オオカミの口を思いっきり蹴飛ばしました。 
         おかげでオオカミの歯は、全部折れてしまいました。 
   
         ひどい目にあったオオカミは、言いました。 
        
       「おれがバカだったんだ。親父から仕込まれた仕事は肉屋なのに、医者の真似なんか、どうしてする気になったんだろう」 
           
         この様に、自分に出来もしない仕事をやろうとする人はへまをして、ひどい目にあうのが当たり前です。 
      おしまい           
         
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