きょうの江戸小話
童話集 > 小話 > 7月

7月2日の小話

その指がほしい

その指がほしい

 仙人(せんにん→きびしい修行のすえ、ふしぎな力をえた人 →詳細)になった友人をたずねていった男がありました。
 いろいろな話をして、さて、わかれるときになると、仙人が、
「おまえに、みやげをやろう」
と、いって、地面に落ちている豆つぶぐらいの小石を指さすと、小石は、あっというまに黄金になって、ピカピカとひかりました。
 ところがこの男、頭をふると、
「そんなものは、いらない」
と、いいます。
 仙人は、
「ああそうか、もっと大きいのか」
と、今度は、にぎりこぶしほどの石を指さし、これも金のかたまりにかえてしまいました。
「どうだ、これで」
 仙人がいうと、またもや男は首を横にふり、
「それもほしくない」
と、いいます。仙人はこまって、
「では、いったいなにがほしい」
と、きくと、男は、
「何でも金にすることができる、おまえの、その指がほしい」

おしまい

きょうの「366日への旅」
記念日検索
きょうは何の日?
誕生花検索
きょうの誕生花
誕生日検索
きょうの誕生日
福娘童話集
きょうの世界昔話
福娘童話集
きょうの日本昔話
福娘童話集
きょうのイソップ童話

今月一覧へ トップへ