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        世界のとんち話 第28話 
         
          
         
コウモリとイタチ 
         コウモリが地面に落ちてイタチ(→詳細)につかまってしまいました。 
    殺されるに決まっていると思ったコウモリは、 
  「どうか、命だけは助けて下さい」 
  と、たのみました。イタチは、 
  「だめだね。あんたを放すわけにはいかないよ。なぜって、わたしは生まれつき、鳥はぜんぶ敵だと思っているからね」 
  「おや、よく見て下さい。わたしは鳥ではありません。ネズミですよ」 
    コウモリはつばさをたたむと、ネズミによく似ています。 
    こうしてコウモリは、うまく命びろいしました。 
    しばらくして、このコウモリはまた地面に落ちて別のイタチにつかまってしまいました。 
  「お願いです。わたしを食い殺さないで下さい」 
  「いやだよ。わたしはネズミというネズミがぜんぶきらいだから」 
    コウモリはつばさをひろげると、 
  「おや、わたしはネズミなんかではありませんよ。ごらんのとおり、コウモリです」 
    コウモリは、こんどもまた、はなしてもらいました。 
    こうして、コウモリは名まえを変えることで2度も命びろいしたのです。 
   
    この話のように、危険をまぬがれるためには、その時その時のなりゆきによって、いろいろと工夫することが大切です。 
      おしまい 
         
         
        
       
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