| 福娘童話集 > ジャンル別 > 世界の恩返し話 > ライオンとヒツジ飼い | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
  | 
    
   森を歩き回っていたライオンが、うっかりイバラを踏んで、足にトゲを刺してしまいました。 
  『私には、あなたの助けが必要です』 
 ヒツジ飼いは勇敢にも、このライオンを調べてやり、足に刺さったトゲを見つけると、ライオンの前足を自分のひざの上に乗せて、そのトゲを抜いてやりました。 
   痛みのなくなったライオンは、ヒツジ飼いにもう一度頭を下げると、森へと帰って行きました。 
   ヒツジ飼いが何度も無実を訴えますが、裁判官は聞き入れてくれません。 
   しかし、死刑のためにオリから放たれたライオンは、あの足にトゲが刺さっていたライオンでした。 
 やさしい目で頭を下げると、そっと前足をヒツジ飼いのひざへと置きました。 
   王さまはこの話を耳にすると、すぐにライオンを森へ返してやり、ヒツジ飼いも無罪にして家に帰らせてやりました。 おしまい  | 
    
  | 
  ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||