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      福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) 瓜子姫(うりこひめ) 
 
          瓜子姫(うりこひめ) 
         
        アニメサイズ Max 2560×1440 字幕「日本語」「英語」 
        
         
        イラスト 「愛ちん(夢宮愛)」  運営サイト 「夢見る小さな部屋」 
         
        瓜子姫(うりこひめ) 
         
        イラスト版 
      
       むかしむかし、あるところに、子どものいないおじいさんとおばあさんが住んでいました。 
         
         ある日の事、おばあさんが川へ洗濯に行くと、ドンブラコ、ドンブラコと大きなうりが流れてきます。 
        「おやおや、何て大きなうりでしょう。家へ持って帰って、おじいさんと二人で食ベましょう」 
         おばあさんはうりを拾い上げると、家へ持って帰りました。 
         うりが大好物なおじいさんは、おばあさんが持って帰ったうりを見て大喜びです。 
        「こんなに大きなうりは、初めて見た。・・・よし、わしが切ってやろう」 
         おじいさんが包丁(ほうちょう)を振り上げると、うりはひとりでにパカッと割れて、中から可愛らしい女の子が飛び出してきました。 
        「おや?」 
        「まあ!」 
         子どものいないおじいさんとおばあさんは、大喜びです。 
         うりから生まれた子どもなので、名前を『瓜子姫(うりこひめ)』と名づけました。 
         赤ちゃんの頃から可愛い子でしたが、瓜子姫は大きくなるにつれてますます可愛らしくなり、やがて成長すると『けしの花』の様な美しい娘になりました。 
         そのあまりの美しさに、お殿さまがお嫁にほしいと言ってくるほどです。 
       瓜子姫は機(はた)をおるのがとても上手で、毎日楽しそうに機おりをしながら、おじいさんとおばあさんが帰って来るのを待っていました。 
       
       ある日の事、瓜子姫がいつもの様に一人で機をおっていると、やさしそうな声で戸をたたく者がありました。 
        「もしもし、可愛い瓜子姫や。この戸を、開けておくれ。お前の上手な機おりを、見せてほしいのさ」 
         けれども、瓜子姫は戸を開けずに言いました。 
        「いいえ。戸を開ける事は、出来ません。 
         もしかすると、あまのじゃくという悪者が来るかもしれないから、誰が来ても決して戸を開けてはいけないと、おじいさんに言われているのです」 
         するとその声は、もっとやさしい声で言いました。 
        「おやおや、あのあまのじゃくが、こんなにやさしい声を出すものかね。大丈夫だから、開けておくれ」 
        「・・・でも、戸を開ける事は出来ません」 
        「それなら、ほんの少しだけ開けておくれよ。ほんの少し、指が入るだけでいいからさ」 
        「・・・それなら、指が入るだけ」 
         瓜子姫は、ほんの少しだけ戸を開けました。 
         するとその声が、またやさしい声で言います。 
        「ありがとう、お前は良い子だね。 
         でも、もう少しおまけしておくれよ。 
         ほんのもう少し、この手が入るだけでいいからさ」 
        「それなら、手が入るだけ」 
         瓜子姫は、また少し戸を開けました。 
        「お前は、本当に良い子だね。 
         でも、もう少しおまけしておくれよ。 
         ほんのもう少し、この頭が入るだけでいいからさ」 
        「それなら、頭が入るだけ」 
         瓜子姫がまた少し戸を開けると、戸のすきまから頭を突き出したあまのじゃくが、するりと家の中へ入って来ました。 
        「けっけけけ。お前は、バカな娘だ。じいさんとの約束を破って、おれさまを家に入れるなんて」 
         あまのじゃくは瓜子姫の着物をはぎ取ると、瓜子姫を裏山の柿の木にしばりつけました。 
       それからあまのじゃくは瓜子姫の着物を着て、瓜子姫に化けて機おりを始めました。 
       
       間もなく、おじいさんとおばあさんが帰って来ました。 
        「瓜子姫や、さびしかったろう」 
         するとあまのじゃくが、瓜子姫の声をまねて答えました。 
        「ええ、とってもさびしかったわ」 
         その時、家の前が騒がしくなりました。 
         瓜子姫をお嫁にもらう為に、お殿さまのカゴが迎えに来たのです。 
        「瓜子姫や、お殿さまのお迎えが来たよ。これでお前は、何不自由なく幸せになれるよ」 
         おじいさんとおばあさんはとても喜んで、瓜子姫に化けたあまのじゃくをカゴに乗せました。 
         カゴの行列はお城へ向かって、裏山の道を登って行きました。 
         すると柿の木のてっペんで、カラスがこんな声で鳴き出しました。 
        ♪カー、カー、カー、カー、かわいそう。 
        ♪瓜子姫は、木の上で。 
        ♪おカゴの中は、あまのじゃく。 
        「おやっ?」 
         みんなはそれを聞いて、瓜子姫がしばりつけられている柿の木を見上げました。 
        「まずい、逃げよう」 
         瓜子姫に化けたあまのじゃくはカゴから逃げようとしましたが、お殿さまの家来に捕まって首をはねられてしまいました。 
       こうして本物の瓜子姫がカゴに乗ってお城へ行き、お殿さまのお嫁さんになって幸せに暮らしたのです。 
      おしまい 
         
          
           
          
          
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